資産運用には、値上がり益を狙う「キャピタルゲイン」と、定期的な配当や分配金を得る「インカムゲイン」の2種類があります。特に、安定したキャッシュフローを重視する投資家にとって、高配当投資信託は非常に魅力的な選択肢です。
しかし、高い分配金だけを追い求めて、高額な手数料を支払ったり、分配金以上に基準価額が下落する「タコ足配当」のリスクを見逃したりしては、長期的な資産形成の妨げになりかねません。幸いなことに、近年では低コストで運用効率の良い優良ファンドが数多く登場しています。
この記事では、SBI証券で購入できる投資信託の中から、「低コスト」と「高配当」を両立した厳選7銘柄を徹底比較します。日本株から欧州株、全世界株まで、分散投資を意識した多様なラインナップを詳しく解説していきます。
厳選7銘柄の基礎データと特徴
まずは、各ファンドの基本データを確認しましょう。高配当投資で鍵となる利回りや、信託報酬などの基礎情報を一覧にまとめています。

【利回り算出方法について】
直近1年間の分配金を、最終的に分配金が出た日における基準価額で割って算出しています。
各投資信託の詳細な特徴
1. SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)
国内の高配当株を主な投資対象とするファンドです。市場平均を上回る予想配当利回りの銘柄を中心に、企業の財務状況や株価の割安感(バリュエーション)などを総合的に判断して選定されています。
参考)組入銘柄(基準日:2025年10月31日)

2. (アムンディ・インデックスシリーズ)日本・高配当株(年2回決算)
「日経累進高配当株指数」への連動を目指すインデックスファンドです。10年以上連続で減配をしていない「累進配当」を掲げる銘柄の中から、利回りの高い30銘柄を厳選しています。配当の継続性と成長性を重視する方に適しています。
参考)組入銘柄(2025年11月末日現在)

3. Tracers 日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配・年6回決算)
日経平均株価の構成銘柄の中から、予想配当利回りの高い上位50銘柄に投資するファンドです。流動性も考慮されており、日本を代表する大手高配当企業へ手軽に分散投資できるのがメリットです。
参考)組入銘柄(基準日:2025年12月30日)

4. SBI・S・米国高配当株式ファンド(年4回決算型)
米国の優良高配当ETFである「SCHD(シュワブ・米国配当株式ETF)」を通じて投資を行います。株価の上昇だけでなく、配当の伸び(増配率)も期待できるため、将来的に分配金が育っていくプロセスを楽しめる銘柄です。
5. SBI欧州高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)
欧州を代表する高配当銘柄に投資するファンドです。市場平均を超える高いインカムゲインと、中長期的な値上がり益の両立を目指します。予想利回りに加え、企業のファンダメンタルズを精査して銘柄を組み入れています。
参考)組入銘柄(基準日:2025年12月30日)

6. SBI全世界高配当株式ファンド(年4回決算型)
日本を含む全世界の高配当株に幅広く分散投資できるのが最大の特徴です。特定の地域に偏らず、グローバルな配当利回りの恩恵を受けながら、トータル・リターンの最大化を目指して運用されます。
参考)組入銘柄(基準日:2026年2月27日)

7. (アムンディ・インデックスシリーズ)オールカントリー・高配当株(年4回決算想定)
MSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)の高配当利回り指数に連動します。単なる利回りの高さだけでなく、配当性向やROE(自己資本利益率)、財務の健全性などが考慮されており、質(クオリティ)の高い高配当株投資が可能です。
参考)組入銘柄(2025年11月末日現在)


分配金の推移・基準価額の変動
高配当投資を成功させるには、目先の利回りだけでなく、配当の「安定性」と、投資元本を守るための「基準価額の安定性」が不可欠です。どんなに分配金が多くても、基準価額がそれ以上に削られては意味がありません。
以下のグラフでは、各銘柄の「分配金の推移」と、投資元本の変動を測る「決算日の基準価額の変動」を合わせてご覧いただけます。
今回選定した7銘柄は、いずれも単なる高配当狙いではなく、運用上の安定性が考慮されています。市況に逆らって極端に値下がりするリスクを抑えつつ、効率的なインカムゲインを狙えるよう設計されています。以下の各ファンドの傾向も参考にしてください。
1. SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)
利回りは控えめですが、堅実な運用が特徴です。過去の分配金の変動傾向を確認し、今後の受け取り計画を立てるのが良いでしょう。

2. (アムンディ・インデックスシリーズ)日本・高配当株(年2回決算)
高い実績利回りが魅力ですが、運用期間が短いため、今後の継続性を見極める必要があります。「累進配当」銘柄への投資による増配期待は大きなメリットです。

3. Tracers 日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配・年6回決算)
安定した高利回りと分配実績があります。爆発的な増配期待よりは、今の高水準な配当を維持する力が強い銘柄と言えます。

4. SBI・S・米国高配当株式ファンド(年4回決算型)
現在の表面利回りは低めですが、投資先のSCHDが持つ高い増配ポテンシャルを考慮すると、長期保有で「自分年金」のように育つ可能性があります。

5. SBI欧州高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)
非常に高い利回りを示しており、インカムゲインを重視する方にとっては良い選択肢となるでしょう。

6. SBI全世界高配当株式ファンド(年4回決算型)
広範囲な分散が利いているため、利回りは中程度に落ち着きますが、リスク分散の観点からは最もバランスの良い選択肢の一つです。

7. (アムンディ・インデックスシリーズ)オールカントリー・高配当株(年4回決算想定)
全世界の優良高配当株に網を張るスタイルです。現在の利回りは控えめですが、銘柄選定の質が高く、長期的な安定成長が期待されます。

まとめ:インカムゲインと元本保全の両立を目指して
この記事では、SBI証券で投資可能な「低コスト高配当投資信託」7銘柄を紹介しました。
資産運用において、キャッシュフロー(分配金)の安定性と、投資元本(基準価額)の保全を両立させることは非常に重要です。今回挙げた投資信託は、いずれも「低コスト」であるだけではなく、投資の「質」にもこだわった銘柄と思われます。ご自身の投資目的に合わせた最適な銘柄を見つける一助になれば幸いです。


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